法人化のメリット
まず伝えておきたいことは、これから様々な利点を見ていきますがそれらは決して法人化すれば自動的に享受されるものではないということです。
法人化をきっかけに経営に対する正しい理解を持ち、しっかりと将来を見据え、自ら農業経営の継続、発展のために邁進する中で生み出され、獲得していくものとして理解する必要があります。
そのためにもどうして法人化をしたいのか、その意義や目的などについてしっかりとした考えを持つことが大切です。
経営上のメリット
経営管理能力の向上 |
1.経営責任に対する自覚を持つことにより、経営者としての意識改革が促進される |
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対外信用力の向上 |
1.計数管理の明確化や各種法廷義務(設立登記、経営報告等)を伴うため、取引上の信用力が向上する |
人材の確保・育成 |
1.法人の役員、社員等の中から有能なものを後継者として確保することが可能になる |
制度上のメリット
税制面での優遇 |
1.所得の分配による事業主への課税軽減 |
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社会保障制度 |
1.社会保険、労働保険の適用による農業従事者の福利増進 |
制度融資 |
1.融資限度額の拡大(認定農業者に限る) |
農地の取得 |
1.農地保有合理化法人が農地等を現物出資することにより農地取得の負担軽減 |
法人化のデメリット
法人化は上で見たようなメリットがある反面、事務処理の猥雑さや金銭面での負担が増加することもあります。
それらは法人としての当然の義務や負担として発生するものですが、それらを十分に熟知して法人化を検討する必要があります。
様々なデメリット
税制 |
・規模が小さいと税負担等が増加することになる |
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社会・労働保険制度 | 1.社会保険等の加入に当たっては経費の負担が必要 |
運営管理費 | 1.法人を経営するために必要な、打ち合わせ等の作業の経費の負担 |
その他 |
・廃止(解散)する場合の手続きが多少複雑 |
農地の移転と課税関係
法人への農地提供方法 | 相続税との関係 |
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売り渡した場合 |
1.売り渡しに際して、譲渡所得税が課税されます |
現物出資した場合 |
1.現物出資の評価額に対して、譲渡所得税が課税されます |
貸付けた場合 | 1.譲渡所得税の課税はありません |
農業生産法人を設立するためには
農業経営の法人化について、駆け足で見てきましたがいかがでしたでしょうか。
農業法人を設立する場合、法人形態や構成員をどうするのかは重要なポイントになります。
会社法人にするのか、農事組合法人にするのか。
または構成員を家族だけの同族法人にするのか、気の合う仲間と一緒に作るのか。
法人形態の選択に当たっては、家族や仲間、地域事情や資金等の現時点での状況判断だけではなく、将来どのような農業法人にしていきたいかも含めた長期的な視点も大切になってきます。
次の項目では、法人選択の判断材料として、それぞれの農業生産法人の比較をしてみます。